1


 阪神からドラフト2位指名を受けた東海大札幌・門別啓人投手(18)が23日、北海道札幌市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。右打者へのクロスファイアを持ち味とする最速150キロ左腕は、同じ高卒ドラフト2位入団から、同じ武器を駆使して沢村賞投手まで上り詰め、エースとして2度のリーグ優勝の原動力となった球団OB・井川慶氏(43)のような球界を代表するサウスポーへの成長を誓った。

 最速150キロを誇る「高卒ドラフト2位左腕」。門別は、あどけない笑みを浮かべながら、自らを猛虎の大エースと重ね合わせた。03、05年の優勝の原動力となった井川氏だ。

 「井川さんに似ていると言われるので、そういう選手になれるように、これから頑張っていきたいです。投げ方だったり、雰囲気がちょっと似ていると言われることが、たまにあります」

 共通するのは経歴だけではない。自身のセールスポイントに挙げたのは、「右バッターに対するクロスファイア」。まさしく井川氏の武器でもあった右打者の内角を厳しくえぐる直球だ。本人は「自分では正直、似ていないと…言っていただけるだけでうれしい」と恐縮するが、周囲からは「ボールの出どころが見えづらいあたりだったり、投げ終わりの感じがすごく似ていると言われました」。決して“自称”ではない。

 そして、お手本にもする。その一つが井川氏の特長でもあったマウンド上でのポーカーフェース。「自分もピッチングで感情は出さないタイプ。そこは井川選手を見習っていきたい」と、どん欲だ。

 担当の葛西稔スカウトも“証言者”の一人となる。「非常に体がしっかりしていて、体力的にもしっかり投げてきている投手。エンジン的には似ている。やっぱりストレートで押せるところが、少し似ているのかなと。そこ(井川)を目指していける素材だと思います」。1メートル83、86キロの恵まれた体格と投球スタイルに、明るい未来を見いだす。この素材に心技体が加われば…沢村賞投手に上り詰めたOB左腕のような成長曲線を思い描くことが可能というわけだ。

 北海道の高校生が阪神に入団するのは56年ぶり。スキーが趣味の道産子は面識こそないが、東海大札幌OBでスキー・ジャンプのレジェンド葛西紀明の活躍を見聞してきた。投手としては井川氏、そしてアスリートとしては先輩の背中を追う。

 「葛西さんみたいに長くやっていけるのが一番の理想だと思う。自分も長くやれるように、これから頑張っていきたい。すごく野球が好きなので、ずっと好きで、楽しく続けられるように頑張ります!」。少年は大志を抱き、「猛虎のレジェンド」への道のりを歩み出す。(阪井 日向)

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の18歳。富川小1年で富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選出。富川中では軟式野球部。東海大札幌では1年秋からベンチ入り。3年夏の南北海道大会は準決勝・知内戦でヤクルト4位指名の坂本拓己と投げ合い敗戦。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

 ○…井川慶氏は1979年(昭54)7月13日生まれ、茨城県出身の左投手。水戸商から97年ドラフト2位で阪神入り。門別も同じ2位だが、阪神が2位以上で高卒左腕を獲得したのは、井川氏以来25年ぶりになる。

 2年目の99年にプロ初登板。03年は先発ローテーションの柱として20勝、防御率2.80の2冠でリーグ優勝に貢献し、MVP。沢村賞、ベストナインも受賞した。02年から5年連続2桁勝利を挙げ、02、04、06年は奪三振王。04年10月4日の広島戦ではプロ野球71人目のノーヒットノーランを達成している。

 06年オフにポスティングシステムでヤンキース移籍も、メジャー通算16試合で2勝4敗。12年にオリックスで日本球界に復帰し、15年限りで退団した。NPB通算219試合93勝72敗1セーブ、防御率3.21。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e310099ea0a4e00853a089c3229a9291af192232


おはようございます🌞 11月24日 本日のスポニチの〝表情〟です 🐯門別投手!北の国からレジェンドへ 井川2世の野望🐯島田選手!外野レギュラーかき乱すチカナカに待った pic.twitter.com/NgxoOdvRg1


続きを読む