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<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

阪神にドラフト1位指名され、23日に仮契約を終えた高知・森木大智投手(18)の会見で、少しでも「子ども」の顔を見たいと思っていた。無邪気に買いたいものや夢を語る姿を楽しみにしていた。人生で初めて見るであろう金額を見て、どんな顔で会見場に現れるのか待った。

午後3時前。約2時間の仮契約交渉を終えた森木は、「オトナ」の顔だった。でもそれは、キリッとした表情だけだったように思う。ドラフト会議後に「僕、あんまり早く伸びないんですよ」と語っていた髪の毛は少しだけ伸び、サイドを控えめ切っていた。本人には否定されるかもしれないが、遊びがなくかわいらしかった。学生服でしっかり決めても、足元はある程度使い込まれたニューバランスのスニーカー。「N」のロゴがかわいく映えていた。

第一声は「オトナ」だった。「プロ野球選手としての第1歩のスタートに立てた。これからしっかりやっていかなくちゃいけない」。自覚と責任感にあふれていた。ドラフト指名後の記者会見でも、コメントに隙がなかった。野球や恩師、チームのことになると表情は崩さない男だ。

「子ども」の顔になったのは、開始約7分後。「小さい時は『ウルトラマンになりたい』と言っていたんですよね?」という変化球な質問に思わず照れた。この日は「勤労感謝の日」で、両親には感謝の言葉を並べた。記者やカメラの前では「オトナ」の振る舞いを見せても、チームメートや古くからの友人に聞けば「おちゃめなところもあるんですよ」と言う。そんな「子ども」の顔が垣間見えた気がした。

「子ども」と「オトナ」が入り交じる18歳。本当に大人になった時にも、どこかに純朴な「子ども」のままの森木君の魅力を残していてほしいと思った。【中野椋】



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