<関西学生野球:近大4-1関学大(延長10回タイブレーク)>◇12日◇第2節第1日◇皇子山球場
複数球団が今秋ドラフトの1位候補に挙げる近大・佐藤輝明外野手(4年=仁川学院)が、起死回生の同点ソロを放った。1点を追う9回1死。2-2と追い込まれながら、関学大左腕の150キロ直球を迷わずはじき返した。「(打った瞬間)行ったと思った。真っすぐにタイミングを合わせることができた」。強烈な打球音を残し、弾丸ライナーで122メートル先のバックスクリーンへたたき込んだ。
「まだボール球を追いかけていた。自分から動かないことを意識した」と2試合で1安打だった前週の反省点を生かした。黒星寸前から生まれた今季初本塁打でリーグ初のタイブレークに持ち込み、チームは延長10回に競り勝った。強打者の真骨頂を見せた佐藤は「いいところで追いつけた。そこだけ良かった」と浮足立つことなく喜んだ。
ネット裏を熱くさせた。開幕戦は12球団が視察し、この日も巨人や阪神など10球団17人のスカウトが集結。“糸井2世”ともささやかれる長距離砲の1発に、阪神和田テクニカルアドバイザーは「芯で捉えた打球はやっぱりプロレベル。コンパクト気味でもあれだけ飛ぶ」と絶賛。巨人渡辺スカウトも「(中堅)122メートルに打ち返せるだけの力がある。一番良い形で出た」など称賛の声が続いた。
佐藤は通算12号とし、OBで巨人3軍監督の二岡智宏氏(44)が持つリーグ記録に王手をかけた。記録更新も視野に入ってくるが「そこの意識はない。目の前の1戦、1打席に集中していきたい」。走攻守がそろう1位指名の筆頭候補。超人にエンジンがかかってきた。【望月千草】
〇第2試合
近大4-1関学
☆1点を追う9回、近大・佐藤(4・仁川学院)がバックスクリーンに値千金の同点ソロを放ち追いつくと、延長10回に3点を勝ち越し、近大が接戦を制した。佐藤は今日の本塁打で、二岡智宏氏の持つ通算本塁打記録(13本)に残り1本と迫った。大会記録の更新に期待がかかる。 https://t.co/J59aSlcxKf