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 衝撃発言から1週間以上が経過した今もなお、その波紋は広がりを見せている。

 2月1日に12球団が一斉にキャンプイン。待ちに待った球春到来だった。プロ野球界の「正月」を翌日に控えた1月31日。阪神の矢野燿大監督が今季限りで退任する決断を電撃発表した。

 関西ローカルの一部テレビ局は番組中にテロップを流してニュース速報として伝えた。同時に新聞社、通信社などもネットメディアによる速報記事を発信。その情報は一瞬にして国内外に広まった。人気球団を率いる監督の退任報道に世間の注目が集まった。

「今シーズンをもって監督は退任。それを選手たちに伝えたかった。『来年は監督という立場でここに来ていることはない』という気持ちを持って、自分も挑戦していきたい。俺自身、退路を決めた中で、『今日が最後』という気持ちであいさつさせてもらった」

SNSで飛び交う賛否の声
 予告のない衝撃告白はチームがキャンプ地の沖縄に入った直後だった。選手、スタッフ、球団関係者らが集まった恒例の全体ミーティングで現場トップが胸中を吐露。「さあ! 明日から始まるぞ」。誰もが気を引き締め、決意を新たにする球界の“恒例行事”の場で退路を断つことを公表。キャンプイン前日の退任表明は、まさに前代未聞の出来事だった。

 SNSでも拡散された情報に、ネット上では瞬時に賛否の意見が乱れ飛んだ。1月31日の夜には球界OBたちも即座に反応。ネット上では次期監督に名乗り出る者もいた。また、人気球団の監督人事について元球団社長までもが言及。今シーズンの順位予想よりも先に次期監督予想が展開される事態となった。

 当然ながら矢野燿大監督は波紋を呼ぶことは想定していた。事前に球団の百北幸司球団社長には全体ミーティングで事実を公表することを伝えていた。球団社長も了承した上での発言。そのことも衝動的な言動ではなかったことを物語っている。では、なぜこのタイミングで退任を発表したのだろうか。本当の意図は本人の心の中にしかない。しかし、矢野燿大を知る人々にとっては決して驚くことでもなかった。

「監督を長く(長期間)やりたいとは思っていない」

 一軍監督に就任した当初から近しい人には、そう明かしていた。3年契約を結んでスタートした監督生活も自身は「1年勝負」にこだわっていた。阪神の監督にとって複数年契約はあってないものと同じ。その“前例”を目の前で見てきた。

 中日から交換トレードで阪神に移籍した1998年から5人の監督の下でプレー。2016年には指導者として古巣に復帰した。選手時代、コーチ時代も近くで数多くの指揮官の後ろ姿を見てきた。名将・野村克也氏や、レジェンドの金本知憲氏でさえ監督としては志半ばでタクトを置いた。優勝に導いた監督以外は実に寂しい去り方をしている。

 これまでも「お家騒動」と揶揄されるように阪神の監督人事は多くの人を巻き込んだ騒動となることが多々あった。負の歴史からみても新たに1年契約で迎える今季はシーズン中にも「お家騒動」が勃発する可能性は想定内。仮に昨季と同様に熾烈な戦いを展開している勝負どころで突如として監督人事の話題が表面化すれば、それこそグラウンド外が一気に騒がしくなることは目に見えていた。

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辞める発言で賑わってるけど、一度目を通して欲しい。 「今季限りで退任」阪神・矢野監督の“衝撃発言”に、藤浪晋太郎や佐藤輝明らが戸惑わなかった理由「選手たちはもう自立している」(Number Web) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/19609e13b72ec30b93597825ddc71549321b8326 


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