阪神は26日、毎年恒例の夏イベント「ウル虎の夏2022」の概要を発表した。同日に兵庫県西宮市の球団事務所で矢野監督、選手らが着用するサードユニホーム「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目会見が行われ、坂本誠志郎捕手(28)と青柳晃洋投手(28)が出席。坂本は開幕投手筆頭候補を横目に、自身初の開幕スタメンマスクを目指す強い覚悟を示した。
坂本の表情が一変した。同学年で同期入団の青柳とお笑いコンビのような掛け合いを見せ、和やかムードで進んでいたサードユニホームのお披露目会見。今年の開幕戦、3月25日・ヤクルト戦の話題になるとグッと表情を引き締め、秘めていた熱い思いを明かした。
「開幕から出たいと思っています。ヤギ(青柳)は全力で狙っていると思いますし。一番近い目標は開幕で出ることだと思うので、強く意識してやっていきたいなと思います」
昨季セ・リーグ2冠に輝き、今季の開幕投手筆頭候補に挙がる相方の横で、自身初の開幕マスク奪取を高らかに宣言した。2017年シーズン以降、昨年まで5年連続で梅野が大役を任されている。強敵との競争は避けて通れない道だが、負けるつもりは毛頭ない。
24日に打ち上げとなったオリックス・能見兼任投手コーチ、伊藤将との合同自主トレでは、体の重心を意識した技術練習のほかに、勝者のメンタリティーを吸収。「去年、オリックスでリーグ優勝されてというところで。そういう話も聞いたりして。技術的な部分もですけど、内面というか」と多くの収穫を得た。
さらに「今まで知らなかった将司(伊藤)の一面も見ることができました」と坂本。シーズン中にはほとんどないという遠投の相手役を務め、18・44メートルの投球間で受ける時との球質や感覚の違いに驚いた。全てが貴重な経験で、捕手としての引き出しに入れている。
昨シーズンの最終盤に11試合連続でスタメン出場。梅野がベンチで戦況を見守る中、攻守で存在感を示した。2月1日のキャンプインから正捕手争いのゴングが鳴る。「目の前の試合を一つずつ、勝ちを重ねていくことが最終的に1位につながる」。開幕から扇の要として、主将として、チームをけん引する。決意は揺らがない。