◇10日 関西学生野球春季リーグ戦 関学大1―5同大(延長11回タイブレーク、大津市・マイネットスタジアム皇子山)
プロ野球阪神・佐藤輝明外野手(23)の弟、関学大の佐藤太紀内野手(4年・関西学院)が代打でリーグ戦に初出場し、初安打を放った。0―0で迎えた8回の1死走者なしの場面。右腕・真野に対して右打者の佐藤太が起用され、カウント1―2と追い込まれた後のスライダーを左前安打した。三塁手の右を痛烈なゴロで抜けていった。
「全球スライダーでした。(打席に入る際)打つしかないんで、それだけですね。(追い込まれて)ちょっと危なかったですね。まあヒットはヒット。もっと打てるように頑張ります」
初出場で初安打を放ち、ベンチに向かってポーズをする関西学院大・佐藤太紀内野手(関西学生野球連盟提供)
昨秋リーグ戦が終わった後、兵庫県知事杯で結果を残して成長を示すと、今春はついにメンバー入り。本荘雅章監督(50)は「体の力があって振れる。オープン戦ではホームランを打っていたし、ツボにくれば打てる。雰囲気のある選手です。練習の打撃、素振りを見ていていい感じになっていたので、いい場面があればと思っていた。一つチャンスをつくってくれました」。残念ながら、佐藤太が好機につなげたものの決定打を欠き、チームは延長11回タイブレークで敗れた。
身長187センチ、体重98キロの右投げ右打ちで今年が最終学年。昨春は黒原(現広島)を擁するチームで優勝したが、佐藤は神宮の舞台に立てなかった。卒業後も野球を続けたいという。そのためにも「今日は負けたんで、勝てるように。もっと活躍しないといけないですね。(9日に兄・佐藤輝が打ったホームランは映像で)見ました。打つなあと」。昨季は球団新人最多となる24本塁打を放った兄に刺激を受けながら、弟も勝利に導くアーチの夢を追う。