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 プロ野球は交流戦を終え、18日にセ・パ両リーグのペナントレースが再開。貯金20、2位に7ゲーム差でセ首位を独走する阪神の戦いぶりを、親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)・角和夫会長(72)はどう見ているのか。16日に同社の株主総会を終え、兵庫県内で本紙の直撃取材に大いに語った。 (山戸英州)

 大阪市内で開かれた総会で、株主から恒例の球団や本拠地・甲子園球場に関する質問はまさかのゼロ。角会長は「チーム状況が悪いときは『ひと言、何かゆうたらなあかん!』ということで来られる方もいますが、好調だと無理してお越しになる必要もない。まあ、1人くらい『この調子で頑張れ!』とおっしゃる方がいればとは思っていましたが残念ながら…。担当役員は寂しかったんじゃないですか」とやや拍子抜けした様子だ。

 自身はコロナ禍の影響もあり、以前より自宅で阪神戦をテレビ観戦する機会が激増したという。「ここまで調子のいいシーズンはなかなかない。内容がいい。2死から何度も得点したりね。相手にとってはショックですよ。今のところはいいように回っていますね」。

 交流戦終了からリーグ戦再開まで、空白の4日間は「試合がないからどう過ごせばいいのか」とうずうず。今後は本拠地がある兵庫県への緊急事態宣言が解除されたら、「甲子園に観戦に行きたい」と直接、虎戦士の激励に訪れたい考えだ。

 打線の中軸で活躍するドラフト1位ルーキー、佐藤輝明内野手(22)は阪急沿線で生まれ育ったご当地選手。角会長は「(沿線の)仁川学院高出身でね。よくドラフトで当ててくれましたよ。あの力強いスイングを見ていたら、(球宴)ファン投票でトップになるのも分かりますよ」と賛辞を連ね、遊撃レギュラーをつかんだ中野、先発左腕の伊藤将も合わせて新人たちの活躍に「チームにとっても明るい話題が多い」とご満悦だ。

 矢野燿大監督(52)は今季が3年契約最終年。その評価は「そらもう、勝負ごとですから結果がすべて」とし、「これだけ2位との差をつけているのですから、現時点では100点ですね」と絶賛する。

 あとは残り85試合、最大13・5ゲーム差を巨人にひっくり返された2008年のような、急失速がないことを祈るのみ。角会長はすでに験担ぎに入り、「優勝」の2文字を「決まるまでは言わんほうがいいですね」とグループ内では禁句にしたい考えだ。「それはねえ、もう、絶対に言わん方がいい。ファンの方にはどんどん言ってもらって構わないけど、やっている方は言わない方がいい」と話すが、くしくも熱狂的な虎党の遠藤章造さんも今回の本紙連載コラムで同じ思いを吐露。球団、親会社、そしてファンも一心同体で秋の歓喜へと向かう。



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