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 今年の阪神投手陣の成績を見返していると、意外なデータが出てきた。そして来季、岡田新体制でさらなる飛躍が臨めるのでは?という期待感も生まれてくる。そのデータはゴロ率。他球団の投手陣と比較しても、その割合は多い。

 共同通信デジタルによると今季、1000球以上を投げた12球団の先発投手で最もゴロ率が高かったのが59%の西純矢だ。次いでオリックス・山本由伸が58%、3位に青柳が57%で続く。阪神のリリーフ陣では岩貞が56%、湯浅も54%と軒並み50%を超えてきている。

 ゴロを多く打たせる要因は低めへの制球力、キレのいい変化球、ストレートの球威などさまざまな技術が挙げられる。例えば青柳なら低めへのツーシームと制球力、湯浅であれば力強いストレートと鋭く落ちるフォークなど、ゴロを打たせられる“要素”を持つ投手は確かに多い。

 以前、阪神で長く投手コーチを務めた久保康生氏(現巨人巡回投手コーチ)は「ゴロを打たせられているってことは、低めに強いボールを投げられている。すると一発を打たれる危険性は低くなる。ましてや甲子園は広い。長打を減らすことで失点のリスクは少なくなる」と語っていたのを思い出す。

 阪神のチーム防御率2・67はリーグ1位。被本塁打数83、与四球数288はともにリーグで最も少ない。いかにストライクゾーンで勝負し、打ち取っているか。ゴロ率が高いという事実も含め、阪神投手陣の力量が分かる数字だ。

 これがなぜ来季に期待できる要因になるのか-。阪神は今オフ、岡田彰布氏を新監督に迎えた。「内野は専門職」という考えを持ち、複数ポジション制を廃止。遊撃に関しては守備最優先で起用する方針を示している。安芸で行われた秋季キャンプを映像で見ていると、新指揮官が「うまなってるよ」と評したように、内野手のレベルは格段に上がったように映る。特に併殺プレーのスピードは、急成長しているように感じた。

 ゴロを打たせるピッチャーが多い中で、内野の守備力が上がれば、当然アウトになる確率は増える。そして優勝したヤクルトの併殺奪取数143(阪神は117)が示すように、一気に2つのアウトを奪うことができれば、守りから主導権を引き寄せることも可能だ。

 岡田新監督が評論家時代、最も危惧していたのが「併殺崩れの走者」だった。「併殺でチェンジだったはずの走者が一塁に残ってしまうと、何かが起こるんよ。アウトにできるプレーは確実にアウトにせんとな」と指摘していた。その課題を秋季キャンプで克服するためにメニューを組み、挟殺プレーでも「確実に取れるアウトを取る」という意識を植え付けていたのが印象的だった。

 ゴロを打たせられる投手陣を、守備力強化に成功した内野陣がバックアップできれば-。数字はさらに良くなる可能性がある。また救援防御率がリーグトップであるにも関わらず、14勝24敗と大きく負け越した原因が拙守にあると仮定するならば、守備力強化はリリーフ陣の勝率5割化、そしてリーグ4位のホールドポイント数&同ワーストに終わったセーブ数の増加につながる要因の一つとなるかもしれない。

 積年の課題を解消するだけでこれだけ多くのメリットがあり、より強力な投手陣を形成することができる。そんな期待を来季へ抱かせる2022年阪神投手陣の成績だった。(デイリースポーツ・重松健三)

https://news.yahoo.co.jp/articles/6f71257f6c14631bd755066cdb45f17f58be317d


守備からリズムが生まれ流れもよくなるよね😉 阪神の守備力強化が成功すれば?投手陣はより強力に(デイリースポーツ) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/6f71257f6c14631bd755066cdb45f17f58be317d 



岡田になった阪神の上積みのひとつがこれ。投手は勝ち星増えるはず。 僅差負けも減る。 守備力強化が成功すれば?投手陣はより強力に #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/6f71257f6c14631bd755066cdb45f17f58be317d 


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