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 プロ野球キャンプのアルバイトから、プロ野球選手へ-。ロッテの育成ドラフト2位・小沼健太投手(22)=BC茨城=は19年からの2年間、阪神の宜野座キャンプで打撃投手のアルバイトを務めていた。報酬だけではなく、一流選手との出会いが財産となってプロ入りの切符をつかんだ右腕。早期の支配下登録を勝ち取り、1軍での活躍を目指す。

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 念願のプロ入りをかなえる転機となったのは19、20年の阪神宜野座キャンプだった。BC武蔵在籍時に当時のGMにキャンプ補助のアルバイトを紹介されて実現。小沼はタテジマのユニホームを身にまとい、打撃投手、ティー打撃の補助や球拾いをした。「キャンプを体験して、NPBにいきたいという気持ちが高まったので、アルバイトができてよかったです」と振り返る。

 裏方として虎戦士から多くのことを学んだ。打撃投手では、近本、大山といった若虎を相手に投げた。「衝撃を受けました。皆さん、初球から100の状態でしっかり振ってくる。悪いボールはバーンと軽々とはじき返されるますし、独立リーグとは違うなと思いました」

 最初は当ててはいけないと恐る恐る投げていたが、徐々に慣れ、時にはぶつけてしまうこともあったという。「近本さんは厳しい内角の球もコンパクトにはじき返されました。パンチ力だったら大山さんですね。力のないボールだったら、軽々と柵越えされました」。この時、NPBの第一線で活躍する選手と同じ舞台に立ち、抑えたい気持ちが芽生えた。

 その貴重な時間は今に生きている。当時ティー打撃の際にトスすることが多かった福留(現中日)に気に入られ、肩慣らしのキャッチボール中に声をかけられることも多かった。「フォームで悪い点があった時にいろいろ教えてくれました。僕のために時間を割いてくれて感謝の思いでいっぱいです」。宿舎は選手とは別だったが、グラウンドでの会話は大きな財産となった。

 BCリーグ時代には福祉関係やお菓子工場のアルバイトもしたが、阪神のキャンプは破格の報酬だったという。「キャンプ期間で20万円前後ですね。結構、もらえました」と笑う。現在は育成枠のため年俸は300万円。ここで満足するわけにはいかない。「今度は支配下登録を目指してしっかりやっていきたい」と力を込める。

 「独立リーグの時はお金がない中で『今日のご飯はどうしよう』とか考えながら練習をしていました。そういうストレスがかからずに野球だけできるので、すごくありがたいです」

 石垣島キャンプではフリー打撃に登板。「打者に向かっていいボールが投げられた」と手応えを感じている。アルバイトで得られた貴重な経験-。これを糧に稼げる選手へと成長してみせる。




小沼健太 阪神キャンプのバイトから念願のプロ ロッテ育成ドラ2(デイリースポーツ)  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210303-00000035-dal-base  旭市出身なので 注目しています


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