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 阪神は5日の広島戦(マツダ)で快勝。今季初の2連勝を飾った。その立役者は、つい先日まで“悩める主砲”だった新加入のジャスティン・ボーア内野手(31)=前大リーグ・エンゼルス。来日初の勝ち越し満塁弾をたたき込み、チームを初のカード勝ち越しへと導いた。開幕から18打席無安打と苦しみ、好機で凡打の山を築いたトラ低迷の戦犯から一転、今度こそ前評判通り「バースの再来」を体現できるのか。 (山戸英州)

 1点を追う3回、高卒3年目の先発右腕・遠藤から大山の押し出し死球で同点とし、なお2死満塁のチャンス。2球で2ストライクに追い込まれたが、3球目の甘めのチェンジアップを鋭く振り抜くと、打球は右翼スタンド中段まで一直線。阪神ベンチはお祭り騒ぎと化した。

 眠れる大砲が「いい感触だった。最高の仕事ができてよかった!」と喜んだ目の覚めるような一撃はサンズ、大山のアーチも誘発。8安打8得点と効率的な得点で1勝をもぎ取り、開幕から2戦続けて無援護で見殺しにした先発・西勇に、うれしい今季初白星をプレゼントした。

 貧打に泣かされ続ける阪神が、海の向こうに救世主を求め、毎年のように呼び寄せる長距離砲。昨年オフにボーア獲得を発表した際に球団幹部が、同じ左打者で2010年に47本塁打のブラゼル、さらに「古くはバースに似ている」と伝説の助っ人を引き合いに出したことから、在阪メディアでは早々に「バースの再来」の文字が躍った。

 騒ぎを知らずに本人が来日し、今春キャンプは連日、一挙手一投足に注目が集まったが、キャンプを視察した他球団幹部は「いつまでバースの幻想を追い求めているの。そんなの、この球団だけだよ!」と苦笑。球団OBからも「ホント、みんなバースが好きだね…」と呆れる声があった。

 そして、高すぎる期待に大きな反動が出る歴史がまたも繰り返された。3月のオープン戦は打率・200。6月の練習試合でも本塁打こそ3本打ったが、前評判通り左腕をかなり苦手にしていることが露呈。開幕カードの巨人戦でもワンポイントの左腕を当てられるなど、ことごとくチャンスを潰してしまい、矢野監督は開幕3戦目で4番外しをスピード決断した。この迷走に引きずられるように、チームも1994年以来の両リーグ最速10敗を喫したのだった。

 チーム内では、勝利になかなか貢献できないボーアに対して「打つ雰囲気は悪くない」と見る一方で、なかなか「H」ランプを灯せないことで「相当、ナーバスになっている」と心配する声が日に日に募っていた。

 ところが、雨天中止を挟んで前日4日の今カード初戦から一変。来日初の猛打賞に加え、ヘッドスライディングでナインを鼓舞すると、勢いそのままにこの日の一発が生まれた。ネット裏に陣取った他球団スコアラーは「前日の試合でも、バットにこすった打球が右翼フェンスに直撃した。2日間で改めてパワーを見せつけられた」とおののく。これまでは箸にも棒にも掛からぬ打撃で周囲をやきもきさせたが、同スコアラーは「追い込まれたら変化球が多いなど、日本人投手の傾向が頭で理解できつつある」と警戒レベルを上げる。

 この日は本塁打以外の打席は3三振と三邪飛に倒れ、指揮官から「もう1本、やっぱり最低でも打つことだ」と注文がついたものの、「レベルが一段階、上がった証拠。“バースの再来”かはさておき、難敵に違いない」と前出スコアラー。

 そもそもの話、バースは大リーグ通算6年間でわずか9本塁打しか打っていない。同じ6年間で92発のボーアはメジャーでも指折りの怪力を買われ、2017年にオールスターのホームラン競争に出場したほどだ。来日前の実績でいえば、バースに重ねることさえ失礼にあたるレベル。体格を見ても、バースが身長184センチ、体重95キロとメジャーでは小柄な部類なのに対し、ボーアは193センチ、122キロの巨漢だ。

 低迷するトラを自縄自縛し続けた「バースの再来」という触れ込みを、ボーアがその豪打で「死語」として葬り去ったとき、阪神に新しい時代が到来する。今季は異例の外国人8人体制だが、「勝負の1年」と位置づける矢野阪神の命運を握るのは、やはりボーアをおいてほかにいない。




メンチ、ヘイグは全く記憶に無い!(笑) ボーア満塁弾!“バースの地縛霊”克服なるか 阪神助っ人砲への重すぎるプレッシャーの歴史(夕刊フジ)  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200706-00000009-ykf-spo 



阪神は助っ人を連れてくるたびにバースの再来といってプレッシャー与えるのいい加減やめてくれ だからソラーテに振られるんだよ


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