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<佐井注目>

甲子園記者席から阪神フリー打撃中のワンシーンを一部始終、見届けた。2冠王と注目ルーキーの掛け合いを眺めながら、ふとパドレス・ダルビッシュ有の言葉を思い出した。

まだカブスに所属していた2年前の19年4月、ミルウォーキーで大リーグの指導スタイルについて聞かせてもらった際の答えだ。

「こっちでは強制される確率はすごく低い。どちらかと言うと、もっと相談されるような感じですね」

虎の主砲、ジェリー・サンズの接し方はまさにそんな印象だった。

8日巨人戦の試合前練習でのひとコマ。最初、サンズは打撃ケージ裏で新井良太打撃コーチと話し込んでいた。そこにドラフト1位佐藤輝明が偶然やって来る。すると、どちらからというわけでもなく、2人は打撃談議に花を咲かせ始めた。

先輩がスイングを実演する。後輩も「こうなっていますか?」とばかりに右脇があいたスイングで返す。後日、サンズはこのシーンについて「知識や経験をシェアできれば…それが彼のヒントになればと思って」と控えめに振り返ったという。必要以上の上下関係を排除した、すてきなやりとりに感じた。

実は助っ人の助言は蓄積されたデータに基づいている。今年2月の1軍沖縄キャンプ中、サンズは担当の栗山正貴通訳と頻繁にこんな会話を重ねていた。

「彼は去年はこんなスイングだったけど、今はこうなっているね」「彼はこの部分が良くなったね」

来日1年目の昨季から仲間の変化をつぶさにチェックし続ける姿を知っているからこそ、ナインも素直に耳を傾けられるのだろう。

決して意見を押しつけない。聞かれて初めて、親身になってアドバイスを送る。打棒だけでなく、その洞察力と気遣いもまた首位を走る虎の力となっている。

サンズといえば、同僚だけが知る魅力を耳にしたことがある。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、選手や球団関係者は不要不急の外出ができない。そんな状況で少しでもストレスを減らせればという思いから、積極的にチームスタッフへの差し入れを続けているそうだ。

たとえば広島遠征中であれば、焼きたてカスタードアップルパイ専門店「RINGO」に立ち寄ってから宿舎に向かう。東京遠征中には気晴らし用のビールを配ったり…。さりげない優しさに触れた球団関係者は多くいる。

ここまで5本塁打はセ・リーグ最多タイ、15打点は同最多。目下2冠王なのに、試合中の激走、懸命な守備からもうかがえるように、「打てばいいだろ」なんて発想はない。他の阪神外国人選手もそうだけど、助っ人だからという特別感を一切出さないからチームになじめるのだろう。

アーチを架けた直後のパフォーマンスは今や虎名物の1つ。「ハッピーハンズ」にチーム全体が盛り上がるのには、心温まる「訳」がある。【佐井陽介】




仮に選手を引退しても、阪神のコーチとして今から契約しといて下さい。素晴らしすぎるわ👋👋 阪神2冠王サンズの隠れた貢献度 佐藤輝に歩み寄れる洞察力とアップルパイ(日刊スポーツ) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/d6a16602273aaf7f138d118192ddd4b0251b0a3e 



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