俺はスカウトもやるよ。阪神・岡田彰布監督（６５）は７日、巨人３連戦（東京ドーム）に備えて東京都内の宿舎で静養。夏の甲子園大会での高校球児の動きを自室のテレビでチェックした。〝目利き〟に定評のある指揮官。百北幸司球団社長（６２）は１０月２６日に行われるドラフト会議の指名候補選びに、岡田監督の意見を参考にすることを明かした。

巨人戦に備えて東京都内の宿舎に入った岡田監督は終日、ホテル内の自室で高校野球をテレビ観戦した。将来の虎を担う〝掘り出し物〟を探すためだ。

「今は、もうそんなのないよ。情報も多いから？　おん」

こう話して煙に巻いたが…岡田監督といえば、アマチュア球界に幅広い人脈を持つ。さらにプロで成功するか－を見抜く力は球団内で誰もが認めるところ。百北球団社長はドラフト指名選手のリストアップで指揮官の意見を参考にするのか、という質問に「もちろん、そうなるでしょうね」と明かした。

実績もある。前回監督時代にリーグ制覇した２００５年オフのドラフト会議だ。岡田監督は「前田大和（鹿児島・樟南高）という遊撃手は、体は大きくないが、身体能力がすごい」と球団幹部に進言。夏の甲子園大会をテレビ観戦していて目に留まった選手だった。高校生ドラフト４巡目で入団し、３５歳となったいまもＤｅＮＡの遊撃でレギュラーを張っている大和（阪神から１８年にＦＡ移籍）だ。

目利きの確かさに、岡田監督は「そうや」とうなずけば、百北球団社長は「わたしも（監督と）食事をして、大和の話は聞きました。すごく思い入れの強い選手なんでしょう」と語った。

高校生だけでない。最近では、２１年にＪＲ東日本からドラフト２位で入団した左腕・伊藤将も評価していた一人だ。野球評論家として活動していた岡田監督は「剛速球はないが、球の切れがすごくいい。コンスタントに勝てる」と予言。入団１年目から先発ローテーション入りし、岡田体制となった３年目の今季も６勝を挙げ、防御率２・３９はリーグ５位だ。

原石探しへ。夏の甲子園大会が終わるまでは、２軍戦をｉＰａｄで視聴したり、高校球児の動きをチェック。夜は監督業…と野球オンリーの一日となる。（三木建次）

★体の回復最優先

阪神ナインも東京都内の宿舎で疲れをとることを最優先した。球団関係者によると、神宮球場の室内練習場やグラウンドを予約していたが「キャンセルしました」。例年は、夏のロードで関東遠征中の試合のない日も若手野手は休日返上で打ち込みをしていたが、この日はオフ。スポーツジムに行ったり、ホテルの自室で素振りをするなど、９日からの巨人３連戦に向けて、思い思いの一日を過ごしたもようだ。

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