(セ・リーグ、阪神10-7ヤクルト、5回戦、5勝0敗、18日、甲子園)雨にも負けず、淡々とアウトを積み重ねた。阪神・ガンケルが6回5安打1失点で、両リーグ単独トップの4勝目。虎のナイスガイはお立ち台からチームメートに感謝した。
「守備のみんなのおかげかな。僕の後ろで守ってくれる選手がしっかりプレーしてくれることで思い切って投げることができるし、打たせることができていた結果です」
球団では優勝した2003年にムーアが成し遂げて以来の開幕4戦4勝だ。一回からストライク先行の投球を続けた。三回2死一塁。3球投げたところで降雨により18分間中断されたが、リズムは変わらず。「しっかり自分の球種を投げ切れている」と胸を張った。
■六回に適時打浴びチーム34イニングぶり失点も
8-0の六回2死一、三塁で青木に右前適時打を浴び、チーム34イニングぶりの失点。球団初の4試合連続完封勝利はならなかったが、堂々の投球で、防御率1・09はセ・リーグ4位だ。
バットでも魅せた。三回先頭で小川の外角143キロを中前へ弾き返し、一挙5得点のビッグイニングを演出。「高校ではクリーンアップを打ってました。大学ではピッチャーと野手としてやっていたので」。強打も売りだったムーアのように、“二刀流”で勝利に貢献していく。
■矢野監督「日本で成功したいという思いがすごくある」
矢野監督も「本当に安定感抜群。ベース上での(球の)強さというのを感じる」とうなずき、7年間で1度も米大リーグのマウンドに上がれなかった苦労人の“強さ”を証言した。「何とか日本で成功したいという思いがすごくあって。本当に頭が下がるような姿勢で去年もそういう姿をずっと見ていた。ハングリー精神はすごい」。
昨季2勝止まりだったが、来日2年目でブレーク。ガンケルは「自分がしっかり投げられているというのもある。今後も好調を続けていきたい」と力を込めた。白星も“タイガースドリーム”もつかみとる。(新里公章)