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 プロ野球は6月中に開幕を目指すことで一致した。全国の緊急事態宣言が解除されていない現状で開幕日の設定などできないが、目標に向かって準備すること、1日でも早い開幕を模索することは、主催する側として当然の動きである。

 ただ、実際に開催に踏み切るかは別問題。直前まで見極める必要があるし、必要なら開幕日を設定した後でも状況によっては延期を再度決断する必要も出てくるだろう。

 開幕日設定と同時並行で考えなければいきないのは開催方法である。通常の1カード3連戦ごとの移動は移動回数が多くなる。12球団代表者会議に参加した球団幹部の話を聞くかぎり、(1)1カード6連戦(2)集中開催――などの案が話し合われたようだ。

 (1)の1カード6連戦なら単純に移動のリスクは半分になる。ただ、移動には新幹線、飛行機といった公共交通機関を利用することになる。回数減とともに、いかに接触を減らせるかを考えるならば、一部の球団幹部が話したように新幹線の車両貸し切りやチャーター機を検討する必要はあろう。ただ、ホーム&ビジターなどの公平性は担保できる。

 (2)の地域集中開催は、最も移動のリスクを減らせるし、バス移動だけで済ませられれば、感染予防策も立てやすい。一方で、例えば東京にセ・リーグが集まった場合、どうしても巨人、DeNA、ヤクルトの選手は自宅通いで戦える反面、阪神、中日、広島の選手はホテル暮らしを強いる。長期間、この方式を取ることはペナントレースの公平性を欠くことになる。地域集中開催は、自治体の理解を得るという点でハードルは格段に高まる。

 どの開催案もそれを貫こうとすると、一長一短がある。ならばミックスしてはどうか。開幕当初は「集中開催」。半月ほど東西に分かれて行い、今度はセとパの東西を入れ替える。1カ月経過した時点で、今度は「6連戦」を導入する。その後に通常の1カード3連戦に戻るという段階を踏むプランだ。

 セ・リーグ球団よりも、移動距離が長くなるパ・リーグの方が移動問題は切実だ。そう考えるならば、セとパで開催方式自体が違ってもいいとも思う。今年は交流戦もないわけだから。

 自治体や国民の理解を得られることがもちろん大前提ではある。その次に優先されるべきは「試合開催」であるならば、12球団には多少の有利、不利は目をつぶって、ペナントレース案を柔軟に練り上げてもらいたい。(記者コラム・倉橋 憲史)




同一カード6連戦?! まじで?! pic.twitter.com/XMJl5N6CyE



@TIGERS_utaite00 新しいですね! 移動も減るし個人的にはいい案に思います



集中開催+1カード6連戦の複合案など柔軟な開催案を(スポニチアネックス)  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200512-00000099-spnannex-base  1カード6連戦だと火曜日~日曜日(月曜日移動日)になるから遠征の回数は減らせるよな


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