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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が、14日のウエスタン・オリックス戦(オセアンBS)に先発する。1軍昇格に向けた最終テストの意味合いが濃い登板となる。1軍は今後、過密日程が予想される。現状、岩田や飯田らと推薦枠を争うが、結果、内容ともに一歩リードする形。好調を維持した上で吉報を待つ。

 藤浪は今回の登板の持つ意味を、はっきりと理解していた。14日の2軍・オリックス戦は、リハビリ組の制限から外れ、7、8回&100球が目安。“昇格テス投”での結果、内容次第では1軍マウンドが見えてくる。過密日程が続く中、救世主となるべき存在。言葉の端々に覚悟がにじむ。

 「もう結果を出すだけなので。結果を出せるように、しっかりと投げるだけですね」

 着実に状態を上げてきた。新型コロナウイルス感染から遅刻による2軍降格。さらに6月3日の2軍練習試合・ソフトバンク戦で、投球中に右胸の軽度の筋挫傷で途中降板した。ここから2週間のリハビリ生活を経て、同月20日のプロアマ交流戦で実戦復帰。1回1安打無失点に抑えた。

 続く26日の2軍・ソフトバンク戦では3回1安打無失点。さらに前回7月5日の同中日戦、5回無安打無失点でリハビリ組を外れた。ようやく制限がなくなったことで昇格候補にも挙がる。矢野監督も既に「しっかりした内容の投球であれば、上げようという選択肢になる」と話すなど、今回の登板次第で早期の出番が見えてきた。

 現状、次の推薦枠を岩田、飯田らと争うが、結果、内容ともに一歩リードする形。大事なマウンドにはなるが、藤浪は平常心で登板に備える。「そこは首脳陣の方の判断。意識しないということはないですけど。自分のできる投球結果を出せるようにするだけです」。どん底から這(は)い上がってきた男は前だけを見据えている。

 現状、ローテ6人は固まっているが、8月には9連戦も予定されている。さらに抑えの藤川が離脱するなど、苦しい台所事情もある。「お客さんがいるのといないのでは全然、雰囲気が違う。ファンの方の前でいい投球を見せたいと思いますね」。チームの最下位脱出へ救世主となるべく、復活に懸ける右腕が満を持して昇格を待つ。




「お客さんがいるのといないとでは全然雰囲気が違う。こういう状況の中、ファンの方々の前でいいピッチングを見せたいなという思いはあります」by藤浪晋太郎 #日刊スポーツ 晋ちゃん!今こそ出てこないと! ファイトじゃ!!! pic.twitter.com/r0EY5qMlQp


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