
阪神藤浪晋太郎投手が4日、侍ジャパン稲葉監督から高評価された。第1クール最終日に日本代表指揮官、建山投手コーチから熱視線を送られる中、ブルペンで101球。「やるべきことに集中した」という投球で、稲葉監督を「“藤浪君”に戻ってきている。非常に順調」とうならせた。
ここ数年は制球難に苦しんだが、昨季は球団最速162キロを計測するなど復調した。17年WBCを最後に代表から遠ざかるが、稲葉監督は「しっかり指にかかったボールは本当に角度もある。素晴らしいモノを投げ込んでいた」と納得。「ポテンシャルも高い。またジャパンに対する気持ちが少しでも芽生えてくれたらありがたい」と期待する。
もちろん、現時点で東京五輪行きは厳しい立場。本人も「そんなレベルに今はない。まずはシーズンにいい形で入れるように」と冷静だが、再挑戦中のワインドアップ投法が代表指揮官からも太鼓判を押される状態にあるのは事実だ。
この日は50球から72球までは打者役を立たせ、巨人坂本勇や中日福留をイメージして投球。個別練習でも捕手を座らせて67球を投じ、「やりたいことができた1クール目だった」。21年初実戦は7日紅白戦の先発マウンドとなる見込み。まずは開幕ローテ奪取へ、突っ走る。【佐井陽介】