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 「阪神1-0DeNA」(24日、甲子園球場)

 歴史的V字回復で、今季初の勝率5割での前半戦フィニッシュだ。阪神は大山悠輔内野手(27)の中犠飛で挙げた1点を、4投手が完封リレーで守り切った。3連勝締めで最大16あった借金を完済し、広島と並んで2位に浮上。球団史上、借金15以上からの勝率5割は1966年の1例のみ。後半戦開幕カードとなる、29日からの首位・ヤクルト3連戦(甲子園)に向けて弾みをつけた。

 今季初の勝率5割が懸かった一戦、頼れる男が虎の子の1点をたたき出した。0-0の四回、山本と近本の連打から生まれた1死二、三塁の好機で、打席には5番・大山。浜口が投じた高めへの143キロ直球を鋭いスイングで捉えた。中堅へのライナー性の犠飛で先制点を奪った。

 「ガンケルが粘り強く投げていたし、何とか先制点をと思っていた。最低限ですが仕事ができて良かった」とうなずいた。結果的にこの1点が決勝点となり、「勝って良かった。ピッチャーが(無失点で)投げてくれたので、良かったですし、勝って良かった」と打のヒーローはチーム一丸の白星を強調した。

 慣れない左翼守備でも1-0の勝利に貢献した。先制した直後の五回、2死二塁から桑原の三遊間を破る打球に対し、猛チャージをかけて捕球。中継に入った糸原への素早い返球で二走・戸柱の本塁突入を阻止した。基本に忠実なプレーの実践に「しっかりボールを捕って投げる。それだけです」と表情を崩すことはなかった。

 ロドリゲスの出場で前日から5月25日・楽天戦(甲子園)以来、約2カ月ぶりに外野を守る。「できないことはできないので、自分にできることをしっかりやりたい」と試合前練習ではノックでゴロ、フライ、クッションボールとさまざまな打球処理の確認を入念に繰り返した。「試合が始まったらしっかりやるだけですし、練習から準備はしているので」との心構えが実戦で生かされた。

 まさかの開幕9連敗から最大16まで膨らんだ借金だったが、3連勝締めで球宴前に完済できた。2位タイに浮上した怒濤(どとう)の大反攻劇の中心にいたのが、20本塁打、67打点でチーム2冠の大山だ。特に6月は打率・318、10本塁打、29打点の無双状態で次々と勝利を呼び込み、勝率5割ターンの実現につなげた。

 「最初は本当に苦しかったんですけど、誰一人、諦めている選手はいないですし、まだまだ試合もある。何とか(勝率)5割に来られたので、これからもっともっと上を目指して頑張りたい」と力を込めた。後半戦は残り49試合。大山のバットが奇跡を起こす。

 ◆借金完済!6月以降の勝率.667 阪神が今季借金16を抱えた時期は4月21、23日。同21日は3勝19敗1分け、勝率.136で首位・巨人と12.5ゲーム差。同23日は4勝20敗1分け、勝率.167で首位と13.5差だった。今季の阪神は3~5月まで54試合で20勝33敗1分け、勝率.377と大苦戦。しかし、6月以降は40試合で26勝13敗1分け、勝率.667の追い上げだ。

 ◆56年ぶり!借金15以上からの勝率5割 球団史上、借金15以上からの勝率5割は1966年以来、2度目。前回の66年は8月16日の借金19だった状況から10月7日に5割。最終的には借金2、3位でシーズンを終えた。今季は4月14日にNPB史上最低勝率.063を記録。翌15日・巨人戦からこの日のDeNA戦までの76試合で勝率5割とした。

 ◆自力優勝の可能性復活は最短8月2日に 阪神の自力優勝の可能性復活は最短で8月2日。29日からの後半戦開幕カード・ヤクルト3連戦で3連勝し、次カードの8月2日・巨人戦に勝利、かつヤクルトが同日の中日戦で引き分けるか敗れると、阪神の自力優勝の可能性が復活する。




まさに「虎の子」の1点を守り抜きました。 阪神・大山がV犠飛 「本当に苦しかった」開幕から勝率5割ターン&2位タイ浮上/阪神タイガース/デイリースポーツ online  https://www.daily.co.jp/tigers/2022/07/25/0015499682.shtml  @Daily_Onlineより


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