阪神の次期監督に就任する岡田彰布氏(64)が2年契約を結ぶことが14日、分かった。
4年間続いた矢野燿大監督(53)率いる矢野阪神は「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージで3連敗し、アドバンテージを含む4敗となり終戦した。岡田氏は「勝てる監督」として来季15年ぶりに現場復帰。近日中に正式発表される。ネット裏から愛情を持って長年チームを見続けてきた岡田氏が、来季の優勝だけでなく常勝タイガースを作り上げる。
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まさかのスイープでCSファイナルで敗退が決まった。悔しさいっぱいの矢野チルドレンを岡田氏が常勝軍団に育て上げる。前回リーグ優勝の05年は就任2年目だった。7回から絶対的な勝ちパターンのJFK(ウィリアムス、藤川、久保田)を整備し、今岡を5番・三塁で再生し147打点で打点王を獲得させた。4番金本は絶対に外さず本塁打40本でMVP。2年目の鳥谷は不動の遊撃手に固定した。
岡田氏はこれまでも解説で佐藤輝や大山について自らの考えを語ってきた。9月28日のヤクルト戦でラジオ解説した際には「本塁打20本で終わる打者じゃない。どう考えても、もっと打てるでしょ」と期待の大きさを話してきた。経験豊富な自身の打撃理論を伝えることで、球界を代表するスラッガーにする。主力の守備位置の固定やリーグ1位の防御率2・67を誇る強力投手陣のさらなる整備、若手の抜てきなども、単年より2年なら、より腰を据えて行うことができる。
20日に開催されるドラフト会議が本格始動となる。すでに巨人が1位を公表している右の強打者高松商・浅野翔吾外野手(3年)、や、野球センスを高く評価する大阪桐蔭の松尾汐恩(しおん)捕手(3年)ら将来性の高い高卒野手をドラフト1位候補にリストアップ。ここに即戦力投手など、岡田氏の考える補強ポイントも踏まえ、直前会議を経て最終決定していくことになる。
チームの基盤を固め、常勝軍団として次世代の若手監督へのバトンタッチも第2次岡田政権の大きな役割だ。中心選手として85年の日本一に貢献。三塁コーチとして03年星野阪神で優勝、自身が指揮官となって制した05年と勝ちを知る「岡田野球」をじっくりと植え付ける。