1


 チームをけん引するトップバッターの順調な仕上がりは心強いものだ。近本光司が今季初実戦になった2月8日の日本ハム戦(宜野座)で初回にいきなり初ヒットを放ち、初盗塁を決めて手応えを感じさせた。

岡田彰布コラム「阪神は四番の争いに注目もレギュラーと若手に差を感じるわ」

「だいたい1カードで5、6本ヒットを打ちたい。去年の後半はあまり難しくないのかなとも思いました。打てなくても次の日には2,3本打てばいいかなと切り替えもできる」

 口を突く言葉の端々から感じさせる自信。昨季178本の最多安打をマークした近本にとって200安打の大台を見据えるシーズンになる。その足がかりになる沖縄キャンプは落ち着いた様子だ。

 クレバーなタイプの男が行った自主トレーニングは「やったことのない感覚がほしい」という内容に終始した。野球の技術練習とはかけ離れたトレーニングに取り組むことで全身の筋力アップを図ってきた。

 自己最高の打率は.313で、盗塁王はチームメートの後輩・中野に譲ったが、こちらも奪回のチャンスだ。「トータルで打てばいい」。いずれのタイトルも手が届く位置に立つ。

 プロ初のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞も今シーズンの糧になるだろう。特に「守りの評価は目標にしなくてはいけない」とセンターの守備力には重点を置いている。

 昨シーズン終盤は右足の違和感で勢いが止まったが、今季もチームリーダーとしてフル回転が求められる。17年ぶり優勝に向かって、チーム一丸を先導する覚悟だ。

週刊ベースボール

続きを読む