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 真夏の大反攻宣言だ!9日・DeNA戦(横浜)に先発する阪神・青柳晃洋投手(28)が8日、甲子園室内練習場で行われた投手指名練習に参加し、大逆転Vへの決意を語った。最大17あった首位・ヤクルトとのゲーム差は現在、8・5ゲーム差。両リーグトップの12勝をマークする右腕が、ミラクル演出の旗手となる。

 ブラスバンドの音色が聞こえ、高校球児たちの熱気が伝わってくる。ムシムシと暑い室内練習場。キャッチボールなどで最終調整した青柳は、言葉に力を込めた。

 「8・5ゲーム差まで来てるんで。ここから全部大事な試合ですけど、優勝するには勝つしかないんで、僕たちは。プレッシャーはないですけど、勝ちへの思いは強い」

 残り40試合。チームは7月4日時点で最大17ゲームあった首位・ヤクルトとの差を約1カ月で8・5ゲームへ縮めた。狙うは“奇跡のドラマ”だ。虎党には苦い記憶として残る2008年、阪神は最大13ゲーム差をつけていた巨人に逆転優勝を許した。この年は8月7日時点で2位・巨人と8ゲーム差。今季とほぼ同じ状況となっており、ヤクルトとの直接対決も9試合を残す。チーム防御率2・56の投手力を考えれば阪神にも十分、逆転Vの可能性がある。

 その旗頭となるエースは自身10連勝がかかる一戦となる。DeNAには今季3戦3勝だが、防御率は3・00。「今年一番、DeNA戦で打たれてますし、ゼロで抑えた試合もない。本当に良いバッターがいるチームだと思いますし、一番警戒しないといけないチームかなと思います」と気を引き締めた。

 雪辱の意味合いも持つ。昨夏に出場した東京五輪では金メダルを獲得したものの、救援登板2試合で計5失点と自身は悔しい結果となった。横浜スタジアムで行われた8月2日の準々決勝・米国戦では、同国代表として出場したDeNA・オースティンに中前打を浴びた後、3ランを被弾。「それを原動力というか活力というか。悔しかった気持ちはずっとある」。1年の時を経て、同じ舞台でチームを勝利に導くことが最大のリベンジだ。

 神奈川県出身の右腕にとって、故郷での登板となるだけに、心強い応援も後押しする。「親は来ると思います。横浜市は思い出があるので、来てくれる方も多い。地元で勝ちたいし、いい姿を見せたい」。チーム一丸となって描いていく大逆転Vへのドラマ。頼れる大黒柱が、夢物語では終わらせない。

 ◆2008年は… 2008年のセ・リーグは阪神が最大13ゲーム差をつけていた巨人に逆転優勝を許したシーズン。この年は8月7日時点で首位・阪神と2位・巨人が8ゲーム差で、今季現時点での阪神とヤクルトとほぼ同じ。08年8月12日以降の両チームは阪神が21勝23敗2分け、勝率.477。一方の巨人は31勝13敗1分け、勝率.705だった。

 ◆あるぞ!猛虎猛追!! ヤクルトが残り44試合を5割で乗り切った場合、最終的に81勝61敗1分けで勝率.570。阪神が上回るには残り40試合を29勝11敗、勝率.725(最終成績=81勝60敗2分け、勝率.574)で戦う必要がある。

 阪神は7月4日時点で今季最大17ゲーム差だった状況から8.5ゲーム差に。7月6日・広島戦から7日・広島戦までの23試合を16勝7敗で勝率.696の反撃中だ。同期間のヤクルトは7勝14敗、勝率.333。引き続きヤクルトが残りを15勝29敗、勝率.341と苦戦すれば最終的に74勝68敗1分け、勝率.521。一方の阪神は残りを22勝18敗、勝率.550(最終成績=74勝67敗2分け、勝率.525)でヤクルトを上回れる。

 ◆過去の真夏の反攻 2008年の巨人と同様、11年・中日も後半戦の巻き返しで逆転優勝を飾った。この年は借金2で前半戦を折り返すなど苦戦。8月10日時点で首位・ヤクルトと8ゲーム差の5位だった。しかし、9月22日に落合監督のシーズン限りでの退任発表があった中、9月を15勝6敗3分け、10月を11勝5敗2分けの戦いを見せ10月18日に球団史上初の2連覇を決めた。




8月9日18:00より横浜スタジアムにて横浜DeNAベイスターズ戦!予告先発はタイガースが青柳晃洋投手!ベイスターズは今永昇太投手です。ここまで12勝、防御率1.38、勝率.923で投手3タイトル独走態勢!破竹の自身10連勝をかけ、敵地のマウンドに堂々立ちはだかります! #阪神タイガース #イチにカケルpic.twitter.com/8Dr7fKKPO7


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