2


【トラとら虎】

阪神・岡田彰布監督(65)は来季、湯浅京己投手(23)の抑え役をV構想の目玉と位置づけている。信条の「守りの野球」を推進し、先行逃げ切りの展開を重ねて18年ぶりの優勝を目指す思惑である。

若トラを大役に抜擢する背景に、今季のタフネスなマウンドがある。チーム最多の59試合登板、45ホールドポイント、防御率1・09。独立リーグ出身(BC・富山)では初の最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝く一方、DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)、ファーストステージでは2セーブをマークした。

「岡田監督は評論家として湯浅をずっと見てきたからピンときたのだと思う。連投に耐えるスタミナもあれば、狙って三振を取れる球威もある。ストッパーの条件を備えていると判断した」と球団関係者は説明する。

救援投手を最重要視する野球観は前回の監督時代と変わらない。第1次でウィリアムス、藤川、久保田の3投手で形成した救援トリオ「JFK」がいまも語り草になっている。優勝した2005年などウイリアムス75試合、藤川80試合、久保田68試合にそれぞれ登板。鉄壁の防御を誇った。

「あのころの阪神戦は6回までが勝負と言われた。7回以降、阪神がリードしていると逆転は難しかった。岡田監督は今回も同じ戦法で勝つ確率を高めようとしているはず。湯浅の抑え転向はその一環」と球団ОBはみている。新ストッパーつなぐ中継ぎ候補は豊富である。右の浜地、ケラー、新入団ビーズリーに、左の岩崎、島本、渡辺雄…。JFKのような勝利の方程式は来春のキャンプで完成する。

湯浅は新ポストに備え、年明け早々にもバッテリーを組む梅野と沖縄で合流し自主トレを行うことになっている。「カットボールやスライダーなど横の変化球に磨きをかけて投球の幅を広げたい」。若き守護神は開幕までの課題も把握している。 (スポーツライター・西本忠成)

https://news.yahoo.co.jp/articles/51610216317683554b69ebf4dc7354a5e422e024 
続きを読む